ファンズアイ マネーコラム編集部
これからはじめるインデックスファンド「ファンズアイ」のマネーコラム編集部が、読者のみなさんに「お金」や「投資」のことについてより知っていただくコラム記事をご紹介していきます。
# インデックスファンドのススメ
久しぶりに上司のアイコとランチに出たエリカ。先輩のナナからバランス型運用の話を聞いたものの、実はまだ投資に踏み出しきれていない彼女は、憧れのアイコにアドバイスを頼むが・・・?
エリカ(左)
アパレル関係に勤める若手女性社員。
おしゃれが大好きで、「自分への投資」と称して洋服やコスメを大量に購入してしまうこともしばしば。この前、先輩のナナからは「バランス型運用」をすすめられたが、実はまだ実践できていない。
アイコ(右)
エリカの憧れの上司。
後輩の面倒見が良く、人望も厚く完璧。でも実は、もともとエリカ同様のずぼらタイプ。最近都内に念願の新築一戸建てを購入したが、押しかけられそうなのでエリカには教えていない。
エリカ 「このお店、アイコさんとランチしに来るの、ひさしぶりですよね!」
アイコ 「そうね。ここのランチ、種類がたくさんあって悩むのよね〜。」
エリカ 「早速なんですが、じつは今日はいろいろ聞きたいことがありまして・・・。」
アイコ 「あら、なによ、唐突に。...私、このランチプレートにしようかしら。さてはこの前ナナにすすめられてた投資信託、まだはじめられてなくて悩んでるんじゃないの?」
エリカ 「ぎくっ!さすがアイコさん...そうなんです、実はナナさんからこの間「バランス型運用」について話を聞いたんですけど、「新興国株式」とか「REIT」とか、資産の種類がいろいろあってわからなくなってきちゃいまして・・・。」
アイコ 「なるほど。ランチはその相談の口実ってわけね〜?その話の前に、ランチをどれにするか選んじゃいなさいよ。」
エリカ 「あ、私トマトクリームパスタ、大盛りで。」
アイコ 「...そういう決断力はあるのよね〜。っていうか、ここのランチ、いっつもそれ食べてない?」
エリカ 「いや、このお店のパスタって味もよく知ってるし、安心感があってついつい選んじゃうんですよね・・・。」
アイコ 「他のメニューもせっかくだからトライしてみればいいのに。美味しいわよ?投資も、いろんな資産の種類と性質を理解すれば、トライしてみる勇気が出るかもしれないわね。今日はそのあたりについて、解説してあげましょう!」
アイコ 「例えばこのカフェだったら、パスタ・お魚・お肉と、3種類のランチメニューが有名よね。インデックスファンドを通じた投資対象資産にも、代表的な3つの種類があるの。」
エリカ 「えぇっと...(メモを取り出して読み返す)「株式」、「債券」、「REIT(リート)」でしたっけ?ナナさんから教わったような・・・。」
アイコ 「正解。これらの投資対象資産の種類のことを「アセットクラス」と呼ぶの。アセットクラスはたくさんあるけど、代表的なのがその3つ。これから、それぞれの具体的な特徴について説明していくわね。」
アイコ 「ひとことで「株式」と言っても、日本の株式だけじゃなくて、アメリカやイギリスなど海外の「先進国」の株式や、中国、ブラジル、インドといった「新興国」の株式もあるの。
株式の指数にも、同じように日本株を対象にしたものだけじゃなくて、先進国株指数や新興国株指数など、いろいろな種類があるのよ。」
エリカ 「日経225って、日本の株式の指数の名前ですよね?聞いたことあります!」
アイコ 「そうそう、この225というのはいわば日本を代表する企業を指しているの。」
エリカ 「何となく有名企業っていうイメージはありますけど、そんなにすごい企業なんですか?」
アイコ 「日本には175万社を超える企業があって、東証一部に上場している企業はたった4,000社ほど。そこからさらに選び抜かれた225社っていうことね。」
エリカ 「選びに選び抜かれた、最上級の食材ってことですね・・・ジュルリ。」
アイコ 「...ま、まあ間違ってはいないわね。」
アイコ 「2番目は「債券」ね。」
エリカ 「「債券」って、「国債」とか「社債」とかの、あの「債券」ですか?なんとなーく、聞いたことあるような・・・?」
アイコ 「そう。国や地方公共団体、一般企業が投資家から資金を調達するために発行するのが「債券」よ。普段意識する機会は少ないかもしれないけど、そのマーケットの規模はとても大きいの。」
エリカ 「な、なるほど。・・・じゃあ、次いきましょう!」
アイコ 「コラ。あなた、絶対わかってないでしょ。」
エリカ 「ばっ、バレてる。いや、個人向けに国債が発行されているのは聞いたことありますけど、それ以外はいまいち・・・。」
アイコ 「日本で企業がお金を調達する手段としては、銀行からの融資や株式の発行などが一般的だけど、社債の発行による資金調達も行なわれていて、残高は50兆円を超えるのよ。」
エリカ 「ごじゅっちょうえん?!」
アイコ 「そう、国債は800兆円を超える残高よ。」
エリカ 「はっぴゃくちょうえん?!?!規模が大きすぎて逆にイメージできません・・・。」
アイコ 「日本の国家予算が年間約100兆円だから、そこから考えると何となく想像つくかしら?
どちらも市場規模が大きいから、投資する銘柄を個人で比較検討して選定するのはまず無理と考えていいわ。世界に目を向けたら到底不可能ね。そういうときこそ、市場全体の動きを表すインデックスの出番ね。インデックスに連動するファンドを活用すれば銘柄選定の負担なく債券にも分散投資できるの。」
エリカ 「なるほど~。あ、債券も、株式の場合と同じように、海外の先進国や新興国の債券を対象にした指数もあるってことですね??」
アイコ 「そういうこと!だんだんわかってきたじゃない!」
アイコ 「最後は、REIT(リート)ね。」
エリカ 「R・E・I・T...これって、なにかの略語ですか??」
アイコ 「Real Estate Investment Trustの略ね。直訳すれば「不動産投資信託」といって、ビルや商業施設など、不動産を実質的な投資対象とする投資信託よ。日本国内のリートはJAPANの頭文字をとって「J-REIT」とも呼ばれているの。」
エリカ 「2020年には東京オリンピックも開催されるし、外国人旅行客が増えたらホテルの建設需要が高まる見込みってナナさんに聞いたことがあります!でも不動産に直接投資をするにはとても大きな資金が必要だし、私には一生関係ないと思っていました。」
アイコ 「REITにも、「東証REIT指数」とか「S&P先進国REIT指数」など有名な指数があるわよ。」
アイコ 「いま挙げた3種類のアセットクラスは、それぞれに「リターン」と「リスク」の度合いが異なるの。」
エリカ 「「リターン」と「リスク」って、聞いたことあるけど、どんな意味なんですか?」
アイコ 「「リターン」は、投資を通じて得られる損益のこと。これは普段使う言葉からも理解できるでしょ?
一方で、「リスク」は「リターン」の振れ幅のことを指すの。「リスク」という言葉は、普段「危険」というイメージで使うことが多いから分かりづらいけど、リターンが下に振れることだけじゃなくて、上に振れることも「リスク」なの。」
エリカ 「リスクって、損をする可能性だけのことを言うわけじゃないんですね...なんだか意外。」
アイコ 「さらに言えば、「リスク」には、もっと積極的な意味もあるのよ。アセットクラスごとでは相対的に、債券に比べて株式やREITは値動きの幅が大きく、ハイリスク。また国内の資産よりも外国の資産の方がハイリスクとされているんだけど、投資の世界では、一般にリスクが大きいアセットクラスほど期待できるリターンは大きいと言われるの。」
アイコ 「この間ナナが説明してくれたっていう、「バランス型運用」の例を挙げるとこんな感じね。値動きの異なる資産を複数組み合わせる方法よ。いろんな資産の組み合わせや比率全体のことを「ポートフォリオ」とも言うの。バランス型運用をランチに例えるなら、今日私が頼んだように、パスタもお肉もお魚も、少しずつ味わえる「ランチプレート」みたいなものと言えるかもね。」
エリカ 「なるほど!いままで食べたことがなくて敬遠してたメニューも、これならチャレンジしやすそうです。」
アイコ 「理想のカラダづくりにはバランスの良い食事が大事なのと同じで、将来の資産づくりにも、値動きの異なるファンドを組み合わせた、バランスの良いファンド選びが大切ってことね。ところでエリカ、あなた最近、ちょっとぽっちゃりしてきたんじゃないの〜?」
エリカ 「ぎくぎくっ!店員さん、パスタランチ、キャンセルで!わたしもやっぱりランチプレートにします〜!!」